腰痛はなぜ起きるのか?
それは人間が2足歩行になったことにあります。
数百万年前、人間が両手を自由に使えるように二本足で立つようになりました。
ところが、そのとき同時に腰痛という宿命も負わされたのです。
4本足で歩いていたときは、背骨は上半身と下半身を水平につなぐ梁(はり)の役割をしていました。
上半身は2本の前足、下半身は2本の後ろ足で無理なく支えられていたのです。
ところが、2足歩行とともに、背骨は直立を余儀なくされました。
とはいえ、もともと梁用に作られた骨格ですから、そう簡単に直立することができません。
たとえば股関節です。
4足歩行の場合、犬や猫を見ても分かるように、骨盤と足が股関節で大きな角度をつくっています。
2足歩行をするためには、まず足と骨盤をまっすぐにつながなくてはならないのです。
実際には、人体の骨盤は30度ほど前方に傾いていて、骨盤の軸と足が平行になるには、あと30〜60度は不足しているといわれています。
まだ4足歩行時代の“しっぽ”がとれずに残っているというわけです。
このまま2本の足で体を支えようとすれば、上体は大きく前方に傾いてしまいます。
これを補うために長い年月をかけて変形したのが背骨です。背骨を横から見ると、腰の部分で前方弓形にそり返っています。
骨盤から背骨がそり返って立ち上がることにより、上半身はまっすぐに立っていることができるのです。
さらに首を持ち上げるために、背骨は首の部分でも前方にふくらみを持たせました。
腰と首のS字形の彎曲(わんきょく)を、背骨の生理的彎曲といいます。
しかし、これは同時に人体の弱点ともなりました。
そり返った形で重い上半身を支える腰と、頭を支える首に過重な負荷がかかり、腰痛や肩こりを起こしやすくなったのです。
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